Proコントローラー 初めてのスティック交換(はんだ作業)のやり方

プロコンはんだ作業編アイキャッチ Proコントローラー

ニンテンドースイッチのProコントローラー(純正品)のスティックが勝手に動いたりする誤作動や、スティックの押し込みボタンが反応しない症状は、アナログスティック基板を交換すれば直ります。

 

プロコン修理実績1000台i以上の筆者が、プロコンのアナログスティック基板の交換方法を図解解説で詳しく説明しております。

 

 

この記事はプロコン分解後のはんだ作業を中心に、アナログスティック基板の交換方法を図解解説で詳しく説明しています

 

 

分解、組み立て、修理後の動作テストのやり方はこちらの記事【プロコンスティック修理 最短で安全な分解方法を図解解説!!】で説明しております。

プロコンスティック修理 最短で安全な分解方法を図解解説!!
スイッチProコントローラー(純正品)のスティック誤作動の分解修理。スティック交換する際の分解方法、組み立て方法を図解解説で説明。修理後の不具合が出た時の原因なども解説しております。

 

 

 

また、修理前にやるべき動作確認方法、清掃のやり方、用意する部品、工具などはこちらの記事【Proコントローラー スティック修理前にやるべき3つのこと!!】で説明しております。

Proコントローラー スティック修理前にやるべき3つのこと!!
Proコントローラー(純正品)でゲームをしていて、スティックを触っていないのに勝手に動く症状でお困りではありませんか?修理者が自分で修理するための正しい修理前の動作テスト、必要な道具、スティック交換、センサー交換などを説明していきます。

 

 

アナログスティック基板を外す

下の画像の状態まで分解してください。

スティック交換作業前

ここまでの分解方法がわからない方はこちらをクリックしてください。

この状態のままだと基板が斜めに傾いてはんだ作業がやりづらいので、外したグリップを下に入れて水平に近い状態にしてください。↓↓

グリップを置いている画像

 

右スティック交換の場合

左スティックの交換はこちらにスキップしてください。

右スティックの交換は、そのまま作業をするとスティック基板がハウジングに当たって外しづらいので、HD振動をハウジングから外します。

右側HD振動

HD振動は両面テープでがっつり固定されていますので、裏側からドライバーなど(あまり鋭利じゃないもの)で押して外します。

HD振動外し方

けっこう力が入ります。ケガしないように気を付けてください。

 

外れたらフレキシブルケーブルの部分を下の画像のようにセロテープを巻いて固定(断線予防)します。

HD振動セロテープで固定

これで右スティックの交換作業が出来る状態になりました。

センサー交換をする方こちらをクリックしてください。

スティック交換する方はそのままお進みください。

スティック基板の外し方(左右共通)

※ 基板に熱を加えすぎるとチップが破損して基板が壊れてしまいますので気を付けてください。

低融点はんだで全体を溶かす

アナログスティック基板は、14ヶ所がはんだで固定されています。この14ヶ所のはんだを全て同時に溶かさないと外れません。

14ヶ所のはんだ

低融点はんだが外しやすい理由

普通にはんだごてを当てているだけでは絶対に外れません

低融点はんだ(ネットショップの低融点はんだは60℃前後で溶けます)とはんだを溶け込ませて、全体の融点(個体が液体になる温度)を下げます。

すると溶けてから固まるまでの時間が長くなるので、固まらない内にスティック基板を外せます。

 

※ ネットショップの低融点はんだの安全性や自作などに興味のある方はこちらの記事【プロコンのスティック交換に便利な低融点はんだ!!自作はできる?】で詳しく説明しております。

 

① はんだが付いている箇所に、はんだフラックスを塗ります。

フラックス、低融点はんだ画像をクリック(タップ)すると拡大されます

② 低融点はんだ1.5㎝×2本を(上の画像は約1㎝)14ヶ所の固定されている所に乗せます。

低融点はんだのイメージ画像↑↑低融点はんだの乗せ方

低融点はんだの量は、慣れている人は半分ぐらいの量でも外せます。
上の画像ぐらい使うと、短い時間で簡単に外せます。

 

③ はんだごてをスティック基板の固定部分に当てて全体を溶かして、元々付いているはんだと混ぜていきます。

低融点はんだで外した後

④ 全体に混ざると、勝手にポロっと外れるか、軽く手でスティックを下から引っ張ると簡単に外れます。

 

☆ スティック基板が上手く外れない場合は、以下のことを気を付けてください。

・ フラックスをたっぷり塗る

フラックスの量が少ないと、元々付いているはんだと低融点はんだが混ざりにくいので、融点が下がりません。

・ 小手先を寝かせて当てる

はんだごての小手先は立てた状態で当てるのではなく寝かせて当ててください。接地面積が大きいと熱が伝わり溶けやすくなります。

はんだごてを寝かすイメージ先ほどと同じ画像ですがこんな感じではんだごてを寝かせてください。

 

 

外した所の掃除

アナログスティック基板を外したら、外した所を掃除していきます。

はんだを除去

基板に付いているはんだを、はんだ吸い取り線で除去していきます。

① はんだ吸い取り線を、はんだの付いている所に持っていきます。

はんだ吸い取り線

② はんだごてを上から押さえるように当てます。
小手先は寝かせて2~3秒ほど当ててください。

毛細管現象で吸い取ります。

③ スティック基板の付いていた14ヶ所全てを綺麗に吸い取ってください。

半田吸い取り後↑↑こんな感じで完了です

無水エタノールで掃除

フラックスなどで基板が汚れているので掃除します。

無水エタノールを綿棒にしみ込ませて基板を綺麗に掃除してください。

フラックス掃除するところ

はんだボール(周辺に残ったボール状のはんだ)などが基板に残っていないかチェックしましょう。動作不良の原因となります。

スティック箇所の基板の表側↑↑基板の逆側も掃除してください

 

スティック外して掃除後↑↑こんな感じで完了です

 

スティックの取り付け

新品のアナログスティック基板を、取り付けます。

14ヶ所のはんだ付け

① 元々付いていたようにアナログスティック基板をセットします。
ピンが曲がっていて入らない場合は手で曲げて調整してください。

スティック基板セット
② 奥まで垂直に差し込んだ状態で(手でしっかりと押さえながら)1ヶ所をはんだ付けします。
多少汚くても押さえた状態で固定できれば問題ありません。

スティック基板仮止め箇所画像をクリック(タップ)すると拡大されます

③ 1ヶ所はんだ付けした所と対角線上の1ヶ所を同じように手でしっかりと抑えながら取り付けてください。
これで仮止めが出来ました。

④ 残りの箇所のはんだ付け、仮止め箇所の再はんだをしてください。

 

最初の2ヶ所のはんだ付けで位置が決まります

スティック基板が一部でも浮いた状態で付けてしまうと補正が出来なくなったり、ハウジングにグリップキャップが干渉してしまうことがありますので、しっかりと奥まで入れた状態ではんだ付けしてください。

 

☆ はんだ付けのやり方(初心者向け) ☆

① 母材(はんだ付けする所)にはんだごてを当てて温める(2~3秒)

② はんだを母材とはんだごての間に持っていく(しばらくすると溶けていく)

③ 適度な量のはんだが溶け込んだらはんだを離す

④ 綺麗にはんだが基板に馴染んだらはんだごてを離す

はんだのコツ

画像にするとこんな感じです↑↑

※ 僕は左利きのため右利きの方と比べると、はんだとはんだごての位置が逆になっています。

 

スティック取り付け後の掃除

はんだ付けしたところにフラックスが残っているので掃除します。

無水エタノールを綿棒にしみ込ませて掃除してください。

スティック掃除完了

はんだボール(周辺に残ったボール状のはんだ)が基板についていないか、しっかりとチェックしてください。
あれば除去してください。

どんなに小さいはんだボールでも、残っていたら動作不良の原因となります。

 

スティック交換後の組み立て

はんだ作業はここまでで完了です。

プロコンのスティック交換修理で一番難しいのは、付いているアナログスティック基板を外すことです。

ここまでくれば大きな山は越えたって感じです。

 

次は組み立て作業です。

組み立て作業も比較的簡単ですが、壊してしまう可能性もありますので最後まで気を抜かないで組み立ててください。

組み立てはこちらの【プロコン組み立て】をクリックしてお進みください。

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